同性結婚とLGBTの社会運動

同性結婚

近年、各国で同性間の結婚(同性結婚)を合法とする法案が認められています。南米ウルグアイで「結婚平等法案」が可決され、フランスの上院では同性カップルで結婚と養子を持つ権利を与える法案が可決されました。そしてニュージーランドで同性間結婚を認める法改正案が可決されました。実際に発効されるのは8月で、アジア太平洋地域では初めて同性婚が認められた国となります。全世界では13カ国目の同性愛婚の合法化となります。このように、立て続けに太平洋や南米、そしてヨーロッパの先進国で同性婚の法案が可決されました。一般的に結婚は、男女の間に交わされる関係と解釈されてきました。同性結婚では、結婚を愛情や性的な親密さにも基いた男女の関係を、ある社会が血縁ではない家族関係として承認し、尊重していく制度と考えています。

同性結婚の概要

同性結婚の制度の利用者は同性愛者なのが一般的なので、同性愛結婚や同性愛者の結婚と呼ばれることもあります。男性と男性、女性と女性が結婚することをいい、つまり同じ性別の人が男女の夫婦のように継続して社会的にも経済的にもパートナーシップを築き、それを維持することが同性結婚なのです。そして、その関係には男女の夫婦と同じく、ある種の社会的な承認が付与され、そうした慣習や法制度のことも含め、法的な保障や保護が行われます。

世界的な同性結婚の流れ

2006年7月29日に採択されたLGBTの権利の擁護と国際人権法確立を目的とした「モントリオール宣言」に、性的指向による差別禁止や社会参加の観点から同性結婚や登録パートナシップ制度の必要性が盛り込まれ、さらに同年11月6日から9日にかけてインドネシアで国際法律家委員会や前国際連合人権委員会のメンバーが中心となって議決された「ジョグジャカルタ原則」の第3条と第24原則においても同性結婚の必要性が示唆されました。欧州評議会も、これらの宣言や原則を重視していることからも、先進国、特にヨーロッパで認められていく方向にあります。このように世界には、同性結婚を認めている国や地域はいくつかあり、同性結婚を認めるかどうか議論されている国もありますが、現在の日本では、同性結婚は認められていません。

法的な同性結婚

男女の結婚は、一般的には社会の要請を受け、国家や政府、またはそれに類する関係機関が、その当事者同士の関係を公証し、何らかの法的な保護を行なっていく慣習や制度を持っています。日本でいえば、婚姻届を役所に提出することで成立し(法律婚主義)、戸籍上に両者の関係が記載され、その関係を公証して貰えるのです。同氏を名乗る権利および義務を持ち、互いに同居、協力、扶助、貞操などの義務があったり、双方の血族から姻族として親族として扱われます。また、パートナーの一方が病気や障害を負ったときも、家族とみなされるため、互いの介護や看護などに特別な資格がなくても携われます。また、互いの生活財の共有権や遺産相続権などを法律が保障したり、税法上、社会保障上の優遇措置などが受けられます。

イスラム教徒と同性結婚

アフリカ大陸におけるいくつかの国では、同性婚を極端に嫌います。例えばナイジェリアのイスラム教徒が多い各州では同性愛そのものが死刑の対象となります。そこではホモフォビア(同性愛への憎悪)を理由にゲイへの迫害、公然たる犯罪が行われているといった現状もあり、国際社会の批判対象となってます。約15年前、ジンバブエの大統領が同性愛問題に対して不寛容な発言をして、宗教上の教義から同性愛に反対する国民と等しい立場を表明することで支持を得ようとしたこともあります。政治家が支持を得るために、何かを極端に肯定、あるいは否定する立場をとることにより、本来の問題、例えば重大な経済問題から国民の目をそらそうとした例とも言われています。この場合、マイノリティの問題の本質から外れているといえるでしょう。

同性結婚をした世界初の国家首脳

アイスランドの首相であるヨハンナ・シグルザルドッティル首相は、同性結婚をした世界初の国家首脳です。私生活ではレズビアンであることを公言していて、2009年2月に首相として就任しました。2010年には女性脚本家と結婚し、同性愛者を公言、同性結婚をした世界初の国家首脳となりました。アイスランドでは登録パートナーシップ法が採用されています。

世界で最初の同性結婚カップル

世界で最初の同性結婚カップルは、1989年10月1日に、デンマークの登録パートナーシップ法により結婚した、ゲイの権利活動家のAxe Axgilと実業家のEigilAxgilです。

同性結婚の歴史

欧米などキリスト教社会では、同性愛は「自然に反する罪」とされ、嫌悪されてきた歴史があります。しかし、ヨーロッパでも、キリスト教が普及する以前には、同性愛のカップルが社会的に承認されていた記録は存在しています。歴史上で確認された最古の同性カップルは、古代エジプトの、KhnumhotepとNiankhkhnumであると言われています。彼らはエジプト第5王朝の時期にニウセルラー王 (Niussere) の宮殿のマニキュア師の監督官の称号を共有していて、「国王の腹心たち」と記された墓に共に埋葬されています。

日本における同性結婚の歴史

江戸時代には、「秋夜長物語」など、著名な稚児物語(男性同性愛文学)に描かれているように、仏教寺院の僧侶と稚児の間に、年長者が年少者を性的にも愛して導くような関係があったことはよく知られています。また、この風習は武家の間にも浸透し、織田信長と森成利(乱丸、蘭丸)のように、儒教的な君臣関係の中に、同性愛的な関係が融合しているケースもあります。こうした男性同士の関係は、「衆道」、「渇色」、「醜道」などと呼ばれ、年少者のほうを特に「念者」と呼ぶような一般的な呼称まで存在しました。また同性カップル相互の年齢や社会的な地位が近い場合には「義兄弟」という兄弟関係に擬制されることもありました。この場合は、一般的にパートナー相互は「念友」と呼ばれていました。

近年の同性結婚

人類の歴史において、同性愛のカップルが異性愛のカップルである結婚と相似な関係であるとみなされ、性の転換をともなわない状態で、それに擬制され始めたのはごく最近のとこで、19世紀後半から20世紀にかけてと思われます。また本格的に議論の対象になり、社会的に制度化され始めたのは、20世紀も後半になってからのことです。男女の恋愛関係や結婚が、個人の愛情と意志に基づくことが普通になり、その関係を社会的にも保障する制度などが整備されてきました。それに伴い、同性愛者の間にも、そうしたプライベートなパートナー関係への欲求が高まり、同性結婚に対する憧れや、それを保障するような社会制度を要求する声が高まったからとも言えます。

同性結婚とパートナー法

結婚を、パートナー法において、どの程度の義務と権利が認められるかは国によってそれぞれ違います。中には、イギリスやドイツのように男女の結婚とほぼ同等の権利、義務、保障が受けられるケースもあります。呼称はドメスティックパートナー法 (domestic partner)、登録パートナーシップ法 (registered partnership)、シビルユニオン法 (civil union) など、国によってそれぞれです。これらも日本などのマスコミで報道される時には、「ゲイの結婚」とか「同性愛者の結婚」と呼ばれることも多く、広い意味では同性結婚と見なされます。権利が制限される場合には、親族として扱われる権利や、遺産相続権、養子縁組資格などが制限される場合が多くあります。

パートナー法概要

結婚とは同居、協力、扶助、貞操など互いの義務と、生活財の共有権や遺産相続権などの互いの権利とを相互に規定した一種の民事的な契約関係であるとみなしています。パートナー法とはそうした結婚に付随する権利と義務のすべて、もしくはいくつかを、同性間のパートナーシップにも認め、民事契約関係を政府が公証したり、制度的に保障したりする内容を持つ法律のことです。特に伝統的にキリスト教の影響が強い国で、反対派の批判をかわすため、同性結婚を建前上「結婚」ではないと見なす必要があることがパートナー法が作られる理由の一つだといえるかもしれません。

日本のディズニーリゾートで初の同性結婚式

法的な婚姻が認められていなくても、同性結婚式を挙げることは出来ます。2013年3月1日(金)、宝塚歌劇団花組出身の東小雪さんが東京ディズニーシーにて、同性結婚式を挙げました。日本のディズニーリゾートとしては初の同性結婚式です。最初、『ディズニー・ロイヤルドリーム・ウエディング』のニュースを見た東さんが、ディズニーホテルのウエディング担当者に「同性カップルも可能か」と問い合わせたところ「どちらかが新郎の衣装を着て、異性カップルに見えるようにすれば可能」という回答でした。そのため、東さんは同性同士に見える服装が駄目な理由を問い直しました。一週間後になされた正式回答は「キリスト教式(チャペル)での挙式は、教義上の理由から不可だが、異性装が必要という回答は社内での認識が不完全だったこともあり、間違った案内」だった、とする内容でした。こうして、二人は晴れてディズニーリゾートで式を挙げたのです。二人の晴れ姿は新聞やテレビ番組でも報道されたため、ご存知の方も多いのでは無いでしょうか。